郡山市内の寺院墓地にて、地震の影響でスリンがずれてしまったお墓の修繕

こんにちは! 福島県一円にてお仕事をさせていただいております、お墓のTRY(トライ)です。郡山市内のお寺様墓地にて、地震の影響でずれてしまったお墓の修繕をさせていただきました。

 

郡山市 寺院墓地 お墓のズレ直し

 

3月16日に、福島県沖で最大震度6強を観測する地震が発生しました。被災された皆様には、心からお見舞いを申し上げます。家屋の被害なども多数ありましたが、大きな揺れだったことからお墓の被害も多数発生し、当社にも多くのご連絡をいただきました。

地震から数日が経ったころ、郡山市内のお寺様から、「石碑がずれているお墓があるので見てほしい」とご連絡をいただきました。お彼岸前の時期で、ほかにも修繕のご連絡をいただいていたのですぐには迎えなかったのですが、余震も心配なのでとにかくできるだけ早くお伺いしました。

 

こちらがご連絡をいただいたお墓です。ここから見ると分かりにくいかもしれませんが・・・

 

正面から見たところです。印のように、お墓の一番上の棹石の下、「スリン」と呼ばれる台座が右手前に回転してずれています。

 

後ろから見たところです。これ以上ずれると落下してしまいます。なんとかここで止まって本当によかったです。石がずれてしまう原因としては、もともと目地や接着がきちんとされていなかったことや、こうしたスリンや蓮華台などの部位は他の部位に比べて接着の面積が狭いことが考えられます。特にこのスリンの場合は、下部に刻みが入っているデザインだったので、そうしたところから水が入って年々目地やボンドが劣化していき、耐えられなくなってしまったのではないかと思われました。

このほかにもずれたり開いたりしているところがないか、念のためお墓全体を見て、ほかにズレがないことを確認しました。お客様に修理内容のご説明をしてお見積りを差し上げ、工事をお任せいただきました。

 

修理のようすです。一旦スリンまでを取り外しました。今回、ズレが見られたのはスリンと上台の間の部分でしたが、スリンと棹石の間の目地も劣化している可能性が高いので、お客様にご説明して2か所を接着し直すことにしました。写真は、上台の上にこれからスリンを設置するところです。接着面をきれいにしてから耐震ボンドをたっぷり使用して、しっかり接着します。

 

スリンを据えたら、その上に棹石を設置します。ここでもかなりたっぷりのボンドを使いました。

 

据え直しが終わりました!

 

耐震ボンドをたっぷり使用して接着し、目地もきれいに入れました。お客様にもお寺様にも安心していただけたようです。今回は石がずれただけでしたが、もし棹石が倒れてしまっていたら、お墓の他の部分にも傷が入ったり割れたりといった被害があったかもしれませんし、場合によっては他のお墓にぶつかってご迷惑になることもあります。そうなる前に修理しておくことができてよかったです。迅速なご連絡、お寺様にも感謝申し上げます。

今回の地震では、同じようにスリンや蓮華の台座がずれてしまっているものや、ゲタ状の台座の墓誌、灯篭などの倒壊もありました。地域によって被害の状況や内容もまちまちでしたが、共通する点として、お墓の建立年がありました。昭和の後半から平成10年くらいまでの間、建てられて20年以上が経つお墓では、目地の劣化による被害が大きかったようです。建てられた当時はきちんと施工されていても、年月とともに劣化していくことは避けられません。目地は補修可能ですので、ご心配な方はお気軽にご相談いただければと思います。